お盆明けの夏休みには、父の故郷、山形へ行って参りました。
私は幼少の頃(6歳)に行ったきりで、京都からは遠い遠い場所。
文化の香り高い京の町で生まれ育った私にとって、日本中どこの田舎も変わらない・・・そう思っていました。
ところが最近、山形が美味の国として注目されるようになり、気になってしようがないのです。果物・野菜・米・蕎麦・肉・・・農作物が格別に美味しく、とれたての食材を使ったオーナーシェフのレストランには、全国からグルメたちが押し寄せています。へぇ、山形って美味しいんだ、と興味が増すばかり。父が帰省中だというのに、美味特区の秘密を探検しないわけにはまいりません。

そこで夏休みに、父の実家(村山市)に寄せてもらいながら、伯父の案内で日本一の蕎麦を体験することにしました。

初日。お昼に山形空港着。
早速、空港にほど近い、田舎そば専門『孤峰』へ。

『孤峰』前にて
『孤峰』入口にて。

『孤峰』手打ち
お客の顔を見てから、ご主人が手打ちを始める。

『孤峰』2種板蕎麦
太麺と細麺を乗せた板蕎麦。おつゆも2種類。

妹が小学生のときに体験した『あらき蕎麦』のインパクトが忘れられないと言います。(私は行かなかった)
見たことないゴツゴツ頑丈な太麺。黒い十割蕎麦。板に盛られるダイナミックさ。
ざる蕎麦でなく、横長のシンプルな板の上に盛られた板蕎麦というのは山形特有だそう。素材ありきの実質剛健な食べ方です。

太麺を持ち上げる
太麺を持ち上げてみる。

「うわ〜、ごっつごつ。こんなに黒くて粗いつきの、蕎麦粉100%やのに、ぶちぶち切れないでコシがすごい。顎がだるいくらい(笑)あのときの『あらき蕎麦』以上の衝撃!」

伯父によると、『あらき蕎麦』は全国的に有名になり、地もとの人が寄りつかなくなったそうです。そうしている間に代が替わり、お蕎麦も変わったとか。そこで、地もとの人しかたどりつけない、とっておきを案内してくださることになったのです。

翌日には村山市楯岡の『そばの実』

そばの実

そばの実 店内
上質な木材を使った新築らしい空間。

ざるそば

細麺と太麺の2種類。昨日の太麺より上品で心地よいコシがありました。おいしかったです。

翌日は妹と車で温泉へ。
1泊した旅館で朝食をいただいた後、帰り道、伯父に教えてもらった立ち寄った、大石田そば『きよ』。
朝食でおなかいっぱいだったので、今回は板蕎麦ではなく「かいもぢ(そばがき)」ひとつを2人でいただくことにしました。

きよそば

かいもぢ
「かいもぢ」と2種のたれ。「納豆たれ」「黒ごま」

初めての体験「かいもぢ(そばがき)」。
食感はふわっと水と空気を含み、もっちり。「納豆たれ」と甘い「練り黒ごま」がついて、おかずとデザート、2回楽しみました。

翌日。仙台で働いている従妹が実家に帰ってきてくれました。
妹が初めて山形蕎麦を食べて感動した『あらきそば』へ。

あらきそば 外観
全国から目指してやってくるというだけあって、さすが、特異な存在感。田舎情緒たっぷりです。

あらきそばにて
京都の百花堂で買ってくれた、藍大島のラッフルブラウスとタックスカートがお似合いの従妹と。上質シルクが軽やかで涼しそう^^

あらきそば 囲炉裏
入ってすぐ囲炉裏の前におじいさんが。日本昔話から抜け出たみたいで雰囲気満点♪

あらきそば 板蕎麦とにしん
板蕎麦とにしん

まず出てきたのは真っ黒の秘伝のたれに浸けた名物にしん。味は見た目のインパクトほど、くどくなく美味しかったです。
肝心のお蕎麦は・・・妹が言うには、初めて食べたときと印象が違うとか。代替わりし、観光客向けに迎合したのでしょうか?
ここが初めてなら、この田舎情緒のなかでいただく板蕎麦をじゅうぶん堪能できると思います。

従妹と
従妹と私。味のある店内では、藍大島のブラウスがいい雰囲気に映えています

さて、山形滞在最終日。
とっておきのお店に案内してくれました。『勝太郎そば』です。

勝太郎そば

勝太郎そば 信条
壁にかけられた信条。すごいこだわりを感じる。

こちらのご主人はとにかく頑固者。仕込みや材料の都合で閉まっていることもあるとか。
ちょっと無愛想に見えるが、私達のことを歓迎してくださったようで、おまけの太麺まで振る舞って下さいました。

勝太郎そば3種

蕎麦そのものの素朴な味。しっかりしたコシ。
最後のとっておきというだけあって、最高の田舎蕎麦を堪能しました。

勝太郎 名水看板
蕎麦打ちに使う名水をとりに山へ。そのときはお休みになります(笑)

山形の田舎そばを体験して感じたのは、素材の持ち味を純朴な感性と頑固なこだわりで、ごくシンプルに味わせてくれること。
野生そのままでもなく、伝統が息づく田舎文化がある。
お蕎麦に洗練や気取りはいらない。私達が求める日本一の田舎蕎麦を堪能した「山形そば街道巡り」でした。